魅惑の果実

私には桐生さんだけ。


他の男なんて心底どうでもいい。



「今はそう思ってても、そのうち興味出てくるかもよ?」



しつこいなぁ……。



「出ないから」

「おい誠治(せいじ)!! 手ぇ出すなって言ってるだろ」

「俺お前の先輩なんだけど、わかってる?」

「分かってるよー」



先輩にこの態度。


完璧なめてるよね。


こういう翔の姿を見ると、やっぱり年下だなって思う。



「仲良いんだね」

「君とも仲良くしたいんだけど?」



チャラい。


爽やかで顔も良く、家柄もそこそこはいいであろうお坊ちゃま。


女に困ったことありませんって顔に書いてある。



「遠慮しとく」

「そんな事言わないで仲良くしてよ、美月ちゃん」



え……っ?


何で?



「私の名前……」

「どうして知ってるかって? 俺のオヤジと美月ちゃんのお父さんは同じ業界だからね。 パーティーで一度見かけた事があったんだよね」



最低。


まさかお父さんの事を知ってる人に会うなんて……。


朝以上にテンション下がる。