魅惑の果実

カクテルを持って来てくれた黒服と顔が合うと、え!?みたいな顔をされた。


緩んだ顔が中々元に戻らない。


鍵を貰って嬉しい気持ちもあるけど、それだけじゃない。


ちょっとご機嫌な桐生さんがなんだか可愛くてしょうがない。



「今週末行ってもいい?」

「好きにするといい」

「言われなくても好きにするけどさぁ……」



「待ってる」くらい言ってくれてもいいんじゃないの?


好きになった方が負けだから文句は言えないけどさ。


鍵が貰えただけ良しとしよう。



「最近は変なことに首を突っ込んでいないだろうな」



ギクッ!



「へ、変なことって?」



首は突っ込んだけど、大きな騒ぎにもなってないし、丸く収まったんだから、あれはノーカンだよね?


妹を怒っただけだしね。



「まぁいい」

「桐生さんこそ変な事とか危ない事してない!?」

「いつも通りだ」



それが危ない気がするんですけど……。


でも話を掘り下げて聞くのはやめておこう。


言わないだろうし、言ったとしてもどう受け止めていいかわかんないしね。