魅惑の果実

お店に出勤すると、待機席はなんだか微妙な雰囲気だった。


この前までこんな感じじゃ無かったのにどうしたんだろう。



「おはよう」



瑠璃ちゃんに声をかけると、何故か驚かれた。



「あ、おはよう……」



そういうと瑠璃ちゃんは慌てて何処かへ行ってしまった。


え?


私何かした?



「感じわる。 あの子調子にのってるよね」

「え? どういうことですか?」



お店のお姉さんに思わず聞き返してしまった。


瑠璃ちゃんって調子にのるようなタイプとは思えない。



「新規の客だけじゃなくて、咲さんの客も少し瑠璃に流れてるみたいでさ、もう少しで咲さんの売り上げに届きそうなんだよ、あいつ」

「え!? そうなんですか!?」



うわぁ……。


瑠璃ちゃん凄っ。


素直で良い子だからお客さんから人気があるのも分かる。


本人悪気なくの結果だろうからちょっと可哀想。


このお姉さんは確か咲さん寄りだし、瑠璃ちゃんのこと気に入らないんだろうな。


キャバクラの指名制度も面倒臭いけど、キャストの派閥も面倒臭い。