魅惑の果実

寮に戻ってきた私と明日香はソファーに項垂れた。


あー疲れた。


疲れたけど……。



「楽しかったね!」

「そうだね」



思うところは同じだった。


明日香と同じく何だかんだ私も楽しかった。



「健人といい感じじゃん」

「本当!? 嬉し〜!! 頑張ってアプローチしてみる!!」



やる気満々な明日香。


恋愛でこんなに気合い入ってるところを久しぶりに見た。



「美月も翔君といい感じだったよ?」

「えぇ〜止めてよ……私は桐生さん一筋なんだからさ」

「でも翔君の方が歳近いし……」



私と桐生さんのことを応援すると言ってくれたものの、やっぱりあの事件の事が引っかかってるんだろうな。


翔はいい奴だと思うけど、私がときめくのは桐生さんだけ。



「翔とはただの友達だよ」

「やっぱそうかぁ〜。 でも、翔君は美月の事狙ってると思うんだよねぇ」



翔は自分に媚びない女が珍しいだけ。


そういう女だったら別に私じゃなくてもいいと思う。



「今度健人君のバスケの試合観に行こうね!!」

「はいはい、そうだね」



一気にピンク色になった明日香は幸せいっぱいって感じ。