魅惑の果実

それにしても勿体無い。


この容姿でこの人懐っこい笑顔は売れると思うんだけどな。



「翔! こんなところにいたぁ〜」



翔の腕に絡みつく胸元がぱっくりあいた服を着た女性。


なんて羨ましい谷間。


私も別にないわけじゃないけど、この谷間は立派過ぎでしょ。



「もぉ〜探したんだよ? 一緒に飲もうよぉ」



胸を押し付け上目遣い。


女の武器を存分に使う目の前の女豹。


だけど私を見る目は冷やかで、邪魔者扱いしているのが痛いほど伝わってくる。


面倒事に巻き込まれたくないし、移動しよ。


翔に背を向けると、腕を掴まれた。



「な、何?」

「俺も行く」



はい?


何で?



「えぇ〜ヤダぁ〜。 翔はこっちでしょぉ?」

「いい加減ウザいよ。 今すぐ俺の視界から消えてくれない? そしたら今日の事は目を瞑ってあげる」



えっ……。


顔は笑ってるのに目が笑ってない。


凄く冷たい目。


女性の顔に焦りが浮かぶ。



「ご、ごめんなさいっ……直ぐいなくなるから、だから、その……本当に、ごめんなさ、いっ……」



そう言うと女性は慌てて行ってしまった。