魅惑の果実

次の日、私はお店に出勤した。



「莉乃がスーツなんて珍しいな」

「たまにはいいかなって思ったんですけど、ダメですか?」

「いや、似合ってるよ。 イメージも変わっていいかもな」



店長と軽く会話をし、待機席へ向かった。


咲さんがいない事にホッとした。


咲さんはほぼ毎日同伴してるから、滅多に待機席で一緒になることはないけど、自分の目で確かめて更に安心した。



「おはようございます」



挨拶をすると、既に座ってる女の子も挨拶を返してくれる。


夜なのに「おはようございます」って業界ならではだよね。



「莉乃、紹介しとく。 昨日から入店した瑠璃(るり)ちゃん」

「瑠璃です! 宜しくお願いしますっ」

「水商売初めてだから仲良くしてやってな」

「あ、はい」



店長は紹介するだけすると、直ぐに何処かに行ってしまった。


瑠璃ちゃんが隣に座り、何だか気まずい。



「莉乃さんはおいくつなんですかぁ?」

「十八です」

「じゃあ同い年ですね! 良かったぁ! 皆さん年上だったから、安心しました」



あまりそういうことを大きな声で言わないで欲しい。


お姉さん方の突き刺さる様な視線に気付いて!!