魅惑の果実

明日香か桐生さんか……どちらかを選べって言われても、きっと答えなんて出てこない。


こんな話をしたら、誰だって反対するよね。


でも、明日香には黙っていたくなかった。


嘘をつきたくなかった。


こんなにも心から私の事を心配してくれる友達だから。


いつか家族の事も話せたらいいなって思う。



「ごめん、明日香。 本当に、ごめん……でも、明日香には応援してもらいたい」

「この頑固者!! そんな真剣な顔して言われたらもう何も言えないじゃん!! 応援するしかないじゃん!!」



本当にいい友達を持ったと思う。


明日香の頬についた涙をティッシュで拭うと、余計に涙を流し始めた。


拭いても拭いても濡れる頬。



「いい加減泣き止んでよねぇ」

「泣き止ませてよね!!」



叫ばなくても……。


本当に可愛い奴め。


しっかりしてる様で涙もろくておっちょこちょいな明日香。


恥ずかしくて口には出せないけど、最高の友達だと思ってる。