スイーツ×デイズ

革製の、モスグリーンのカバーをつけた本だった。


ボクは、幸運の種を拾った。


「あ、あのっ、落としましたよ、本っ」


ボクは低い身長ながらも思い切り背伸びして、本を高く掲げた。


するとボクの声が――気持ちが届いたのか、あの子は黒髪をなびかせて振り向いた。


――ドキッ。