一度、幻のフレンチトーストを食べてみたい、そう佐鳴に零したことを覚えていたのか。


「佐鳴……」


「いいんだ。黙って受け取ってくれ」


「佐鳴!」


ボクはそう言って彼に抱きついた。


「まーたやってるよ。美少年コンビ、ラブラブごっこ」

クラスの女子がケラケラと笑っている。


「うるせー。俺は男しか愛せないんだー」


と、佐鳴。