スイーツ×デイズ

なにがどうなっているんだか、さっぱり解らない――。

「――恭汰くん」
 
ボクは佐鳴の双子の弟、エルの通う男子校へときていた。
 
今は佐鳴と同じ顔のヤツとなんか、会いたくなかったけれども。
 
一旦家に戻り、着替えをして、しばらくマックで時間を潰し、再び電車に乗り、エルに会いにきたのだ。

「何? 聞きたいことって」
 
聞きたいことがある、とボクはメールを打っていたのだ。

「どっか、甘いもんでも食べに行こうか」
 
と、エルは申し出たけれど、そんな気分じゃなかった。

「んー、いや」

「……近くに、公園あるけど」

「ああ、そうだな」

「――」
 
ボクのいつもとは違うテンションに、彼は気がついたようだった。
 
黙ったまま、先だって歩いてくれた。
 
やがて、すべり台と砂場があるだけの小さな公園にたどり着いた。
 
木陰にある、背もたれのある木の椅子にボクたちは座った。
 
エルは背もたれによりかかり、空を仰ぎ、暮れなずむ空をぼんやりと眺めていた。
 
ボクは前かがみに座り、両手を組んでいた。
 
……切り出すのが、正直、怖かった。
 
冬香さんと、佐鳴との関係を知ってしまうのが、怖かった。
 
エルはきっと、その総てを知っている。
 
それを、聞き出してしまうのが、ためらわれた。
 
きっと、総てを知ってしまうと、今までとは違う目で佐鳴を見てしまうと思った。
 
しばし、ボクは黙っていた。
 
エルは、じっと待っていてくれた。
 
遠くの方で、カラスの鳴き声を聞いた。
 
ボクはそれを合図に、切り出した。

「あのさ……」

「うん」