「そうそう、僕のこと、『椿』と呼んで頂けませんか?『野上さん』では、桜とどちらか分かりませんし」


っていうか、呼びますよね?(黒笑)と言われ、こくこくと頷く。

これは、世にいう脅しではないのか…?
疑問に思いながら、ま、いっか。となる。


「それから、癖になっているのかもしれませんが、僕の前でだけでも、敬語を使わないようにしてみてはどうでしょう?」


「いい…の?…野…椿」


私にしては頑張ったと思う。

そんな私に対して、椿は上出来です、と頭を撫でてくれた。