キス魔な彼〜監禁から始まる恋〜





「あぁ。それなら心配ない。退職願いをだしてきたから。」


……はい?


「た、たいしょくねがい?」


「うん」


「どうやって…?」


だって…私はここにいるわけで。
本人がいないのに退職願いなんて受け取ってもらえるはずがない。

「海が体調悪いんで、海の兄の俺が持ってきました。って言ったら快く受け取ってくれたよ?」


淡々と話している拓海と、頭を抱える私。


なんてゆるい会社なんだ。
でも、そうだ。
うちの会社はとてもゆるい。それが結構気に入ってたんだけど、ここで裏目にでるとは…。
あぁ。一瞬で職を失った。