「…絵梨…お父さんに…会いたい?」
「…え?」
「…実はね、絵梨の病気が分かってから、お父さんに連絡をいれたんだけど繋がらないのよ…。避けられちゃってるのかしらね」
「…そうなんだ」
私の誕生日にお父さんが出て行ってから、もう何ヶ月も会っていない。
その間は、連絡もとっていなかった。
でも……私のお父さんは、お父さんしかいない…
病気で死ぬんだったら……会いたいな…
たとえお父さんがうつ病でも……
「お母さん…私、一回でいいからお父さんと話したい…」
「…あなたならそう言うと思っていたわ。昔からお父さんのこと好きだったものね…?」
「うん…」
「連絡がつかないから、お母さんが直接お父さんのところに行って来るわ」
「大丈夫…なの?」
「それくらい大丈夫よ!大事な我が子の為だもの!お母さん何だってできちゃうから♪」
「ありがとう…お母さん」
本当は、お母さんだって怖いはずだ…
お父さんは、今までにないくらい暴れたんだから…
私と翔太も怯えたくらい、怖かった…
まるでお父さんじゃないみたいに。
病気って、人を変えてしまうね…
いい意味でも…悪い意味でも…