気がつくと、目の前には真っ白い天井。



この独特な匂いはここが病院なんだと分かった。



横を見てみると、玲が寝ていた。



そっかぁ。



私、玲と話してる最中に倒れたんだっけ。


玲が運んでくれたのかな…



迷惑…かけちゃったね。



助けてくれたからには、ちゃんと病気のこと玲に言わないとね…



そう思っていると、玲が目を覚ました。



「絵梨、大丈夫か…?」



「…うん。運んでくれてありがとうね」



「お前のお母さん、もうすぐ来るから、そうしたら俺は帰るな」



じゃあ今しかないかな…



「玲…?」



「どうした?」



「私、玲に言わないといけないことがあるの…」



「…なんだ?」



このとき玲は、何かを察してくれたかな…?



「………私ね…白血病…なの…」









…フワァ







私は再び玲に抱きしめられた。



でもその肩は、前と違って…



…震えていた。







「……なんで…お前なんだろうな…」



「…………玲」



「……お母さんを助けようって…それに、ちゃんとした夢だってあるのにな…」



私の代わりに、玲が泣いた…



玲はいつでも優しいよね…


こんな私の為に泣いてくれるなんてさ…



私…すっごく嬉しかったよ…?