季節は、もう十二月。
凄く寒い毎日で、雪も少し降っていた。
「骨髄移植をすれば、寿命を延ばすことは可能ですがどうしますか?」
先生から言われた骨髄移植。
私は、断った。
どうせ骨髄移植をしても、治る確率が低いのなら、今を精一杯生きて、カナリアと中学を卒業したい。
実はもう既に行きたい高校は決まっていたりした。
なんと驚くことに、玲と同じ志望校で。
中学時代に不登校だった生徒を受け入れてくれる通信制高校だ。
高校の入試は一月。
ちなみに、私の寿命はもって三ヶ月…
状態が悪化すれば、もっと早まることもあるかもしれない。
それでも私は、自分が幸せだと思える居場所のカナリアを、自分が在籍していた中学を、卒業したいと思ったんだ。
もちろん、いろんな人から骨髄移植を受けるように言われた。
お母さんは泣きながら私にお願いした。
それでも私は、自分の命の長さよりカナリアに通えることの幸せを選んだ。
最後には、お母さんも…
「…あなたの人生だものね。お母さんはもう何も言わないから、幸せだったと思える人生にしなさいよ…?」
と泣きながら言ってくれた。
私も、涙が出た。
骨髄移植なんてしたら、入院でカナリアにも通えない。
カナリアは、私がやっと見つけた居場所なんだ。
だからカナリアで過ごす時間を、大切にしたい。
それに…骨髄移植はお金もかかるしね?
まあお母さんはそんなこと気にするなって言いそうだけど…(笑)
だけど…
私は、今を精一杯生きることに決めた。

