目を覚ますと、そこには見慣れた天井がぼんやり見えた。
「目が覚めた…?」
隣を見るとお母さんが私のベッドの隣で座っていた。
「私……」
「お風呂あがって倒れたのよ。のぼせたのかしらね〜」
「そっかぁ……」
そう言ってまた目を閉じた。
「…絵梨、ごめんなさいね。」
その声にまた私はゆっくりと目を開けた。
「…何が?」
「私がしっかりしてないから、あなたと翔太を辛い目に遭わせてしまって…」
「…そんな」
「子供を守るのが親の役目なのに、お父さんとお母さんは自分を守ることに必死で、本当に守るべきものを忘れていたのかもしれないわね…」
「…そんなことないよ。お母さんは私と翔太のためにご飯作ってくれたり毎日おかえりって迎えてくれてたでしょ?私と翔太はそれだけで充分守られてるよ?」
「…ありがとう絵梨…」
と言ってお母さんは泣いた。
きっと、一番辛いのは家族の幸せを願う私と翔太より、守るべきものを守らなくてはいけないと自分を奮い立たせていたお母さんなんだよね。
全然、分かってあげられなくてごめんね…?

