それから一週間後。


私はお母さんとフリースクールの見学に来ていた。


フリースクールはカナリアという名前のところで、中を見学した後、カナリアに通っている子たちとトランプをやった。


そうしたら、凄く賑やかなところで私が負けそうになると、一人の優しい男子がわざと負けてくれて勝たせてくれた。


久しぶりに同級生といて楽しいと思った。


ちなみにカナリアまでは家から約45分くらいでそんなに遠くも感じなかった。


そしてトランプが終わって、相談室でカナリアの主任の先生に詳しく説明を受けてから、帰ろうと相談室を出たとき…



一人の男子がカナリアに入ってきた。



主任の先生がその入ってきた男子を私に紹介した。









………あれ?












…私と同じブレザー……











「この子は星川さんと同じ学校で、万年遅刻の問題児なんですよ〜」


「…誰が問題児だ。秋先」




…落ち着いた感じの声で主任の秋元先生を秋先と呼びつっこんだのは、紛れもなく私と同じブレザーで私と同じ学校の人だ。


でも…凄く整った顔立ちで、第一印象はかっこいい人だなって思った。


同じ学校だけど、先輩かな…?



「ほら、玲自己紹介しなさい」


「月島 玲です。あっ!ちなみに万年遅刻っていうのは嘘なので信じないでくださいね〜」


と秋元先生を見ながら最後のセリフを言った。


「お前、万年遅刻は事実だろ」


「まあまあ、そこは気にしない気にしない。秋先も怒ってばかりいると早く老けるぞ」


「何だと玲!」


そんな言い合いを私はしばらく見ていた。

すると、


「君、名前は?」


玲と言われるその先輩?が私に笑顔で話しかけてきた。


「あっ私!星川 絵梨と言います!」



「よろしくな」



「あっよろしくお願いします」


見た目はクールだけど、笑顔は凄い素敵だな。








これが玲との出会いだったね…。


今思えば、奇跡のような出会いだったよね…。