そして、学校を休むようになってから、一ヶ月ちょっと経ってしまった頃…


私は夜寝る準備をして寝ようとしていた。


自分の部屋のベッドに入り、眠ろうと目を瞑った。


「どうして絵梨は学校に行かないんだ」


「あの子も今自分の体調と闘っているのよ!」


「でも元気そうにしているじゃないか」


この声は紛れもないお父さんとお母さんの声だ。


どうやら私の事で話しているらしい。


ベッドに入りながら、リビングから聞こえるその声の言い争いに、私は耳を傾けた。


「絵梨も今辛い思いをしてるの!」


「でも学校に行かないのはおかしいじゃないか」


「あなたは体調が崩れるとどれくらい本人が辛いのか分かってないの!」


「でも俺が帰ってくるといつも元気に笑っているじゃないか」


「あれはあの子なりの強がりなのよ」



…やめて…


…分かってるよ。


私の体調が悪いのは朝だけ。


昼間ゆっくり休めば夕方には元気になってしまう。


だからお父さんがそう思うのも仕方がない。


「あんな子に育てた覚えはない」







………え?…


あんな子に育てた覚えはない…?








…そっか…そうだよね…


お父さんは元気な子が好きだもんね。


体が弱い私なんて…………








いらないよね…









自然と涙がこぼれた。


そのあと、またお父さんとお母さんが言い合いしてるのが聞こえたけど、もうこれ以上聞きたくなくてベッドに潜って声をあげて泣いた…



…もういらないよね、こんな私…