朝起きると、なんか頭が痛かった。


新学期だからなるべくは学校を休みたくないのが本音だけど、仕方なく休んで薬を飲んでゆっくり寝ていた。


その日は桜が学校のプリントとかを家まで届けてくれた。


「桜、ごめんね」


「いいのいいの!絵梨の為だもん!」


ありがとう、桜…




それから私の体調は全然良くならなくて、何かの病気じゃないかと思い、病院に行った。


検査で血液を採取したり、血圧を測ったりした。


「15分間、ここに立っていてもし倒れそうになったら言ってくださいね」


と言って看護師さんは私にタイマーを渡して個室の部屋から出て行った。


15分かぁ。


そんなの余裕で立ってられるでしょ。


そう思い、学校のみんなはどうしているかな〜なんて考えていた。



個室に立ち続けて約8分くらいしたときだった。


なんかだんだん気持ち悪くなってきて、めまいが酷く立っていられなくなりその場に座り込んだ。


余裕だと思っていたのに自分でもびっくりだった。


しばらく座り込んでいると、吐き気とめまいは落ち着いてきて、また立ち上がった。


看護師さんを呼ぼうと思ったけど、声も出せないくらいだった。


再び立ち上がってすぐに15分が経過し、看護師さんが個室に入ってきた。


それからもう一度血圧を測り、しばらく待合室でお母さんと待っていたら、「星川さ〜ん」と呼ばれ、診察室に入った。


「えっと、星川さんの病名は起立性調節障害です」


やっぱり病気だったんだ…


「…どんな病気なんですか?」


「簡単に言うと、朝血圧が低くなり頭痛や吐き気を起こし、起き上がれなくなる病気です。中学生や高校生の女子に多い病気なんですよ」


と優しい女の先生が教えてくれたけど、
私の頭の中はその病気がどうのこうのじゃなくて学校に行けなくなるのではないかとそっちのほうが不安だった。


また桜にも心配や迷惑をかけてしまう…


一応血圧を上げる薬と吐き気止めの薬を出してもらって経過観察ということになった。