――夢を見た。 これは、要さんに引き取られた日の夢だ。 『お前、気に入った。今日から俺のものになれ。』 『もの?』 『そうだ。俺のものだ。俺がお前を愛す代わりに、お前も俺を愛すんだ。』 変な人だと思った。 でも愛すると言う感覚に、俺はひどく惹かれた。 俺なんかでも、誰かに愛してもらえる。 この人は、俺を愛してくれる。 愛情不足だった俺に、要さんは……ちょっとガキ臭い表現だけれど、何よりも輝いて見えた。