「要さん……人を好きになったことなかったの?」 「悪いか?」 「悪く……ない、けど……」 意外だ。 だって要さんは俺より年上で、俺より色んな事を知っていて。 なのに……。 「俺の初恋ちゃんと受け取れよ。」 ぐしゃぐしゃと頭を撫でられる。 要さんはそのまま、車を降りた。 自分の頭に触れて、笑った。 俺の日常はいつだって、要さんを中心に動いている。