俺はため息を一つ。


「あのね、要さん。俺は学校に行くのが仕事なんだって。」
「いや、お前の仕事は俺を癒すことだ!」



また始まった………。




「………行ってきます。」
「涼、俺を無視するつもりか?良い度胸だなぁ?」



にんまりと要さんは笑った。


俺は比例して口元を引きつらせる。


こう笑うとき、大抵良いことは考えていない。



さっさと家を出ようとしたが、要さんが俺の腕を掴む方が、一瞬早かった。



「涼、まだまだお前には教育ってもんが足りてねーみてーだな。」
「え、いや、充分足りてます。」
「そんな遠慮すんな。俺が叩き込んでやるから。」
「ちょっ、俺、学校が……」




抵抗虚しく、俺の身体は家の中へと連れ戻されていく。



こうなったらもうダメだ。


今日も大学は諦めよう。


ああ、出席日数大丈夫だったっけ?


てか、単位とれるのかなぁ………。