『第二章 平凡男子の日常』




俺の朝は食事作りから。

要さんが朝は和食が良いと言うから、必ず和食にする。


今日も納得のいく出来栄えだ。

準備が整ったら要さんを起こしに行く。


この作業が難関その1。


要さんの部屋に入る前に呼吸を一つ置いて、気合いを入れる。


「よし!」


勢いのまま要さんの部屋へ。


中は仕事の資料ばかり。


俺は部屋の左側に設置されているベッドへ近付いた。



「要さん、朝だよ!あ·さ!!」
「……………」
「かーなーめーさん!」



ベッドの中の要さんは、もぞもぞと動くだけ。

まぁ、いつものことだ。


俺は体を揺する。


「いつまで寝てるつもりだよ?起きろ!!」
「……毎朝毎朝うるさい。」
「毎朝毎朝起きない要さんが悪い。」



チッと舌打ちが聞こえたが気にしない。



「起きないなら一人で食べるから。」
「………ダメだ。」


むくっと要さんが起き上がった。


朝食は必ず一緒に食べること。


要さんのこだわりの一つだ。