棗の他は誰もいない


「相変わらず早いね」


「凜もね」


相変わらず…


この言葉はこれが当たり前の光景だということを教えてくれる。


私と光は入学してからずっと話していた。
そこに棗が加わり始め、更に百合も加わって話し始めると

百合と光の性格から四人で出掛けることもしばしば合った。


待ち合わせて出掛ける、こうゆうときは必ず

棗、私が光、百合を待つ


こう決まっていた。


仕組んだり、約束したりしてる訳ではない。


単に私と棗は5分前行動を心がけている、

それだけに過ぎなかった。


「そろそろ来ることかな」


暫く棗と他愛のない話をしていると、時間を確認するようにケータイを開いた私の声と


♪ーー


着メロの音が重なった…


「流石だね」


顔を見合わせて笑ってから、棗は電話に出た。