フラフラの体で外に出る。


いつからか雨が降ってきていたみたいで、すぐに体を濡らした。


傘を指さずに歩く私を、町行く人は異様なものを見るような目で見る。


みるな、みるな、みるな


いくら心のなかで叫んでも聞こえるはずはなくて…


行く宛もなく雨の降る町をさ迷った。


徐々に目がくらみだして、激しい頭痛に襲われても、ただ歩いた。


「おねえちゃん、傘指さないと風邪ひいちゃうよ?僕の傘貸してあげる!」


幼い子供にそんな言葉をかけられた所で朦朧としていた意識がはっきりする


「ありがと、でも大丈夫だよ。
おねえちゃんのお家もうすぐなんだ」


「そうだったんだ!
お家帰ったらシャワー浴びなきゃだね!」


純粋そうな笑顔の男の子に光が重なって、心が締め付けられた。