谷口も豊田も、迷彩服はずぶ濡れになってしまっている。

上衣だけでも乾かした方がいい。

山中の気温は、夜は急激に下がる。

「とりあえず火を熾そう…」

弾帯の戦闘救急品袋の中からオイルライターを取り出す谷口。

近くに落ちている枝や枯れ草を集め、それに火を点ける。

「谷口君、ライター持ってるって煙草吸うんだ?」

「いや…生存自活に備えて一応持っているだけだ…」

言いながら空挺用迷彩服2型の上着を脱ぐ谷口。

「豊田も上着を脱げ。乾かさないと風邪を引くし、体力を消耗する」