流れの激しい川も、多少下流に行くと緩やかになっていた。

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

荒い呼吸をしながら、川岸に上がってくる谷口。

ザボザボと水音を立てて歩く。

その肩には。

「大丈夫か、豊田…」

グッタリとした豊田を支えていた。

「大丈夫…ごめん…」

疲弊し切った表情で呟く豊田。

川を何とか泳ぎ切るのに、相当体力を消耗したらしい。