銃声、悲鳴、水音。

蔓延るカマドウマ達を射殺しつつ、ようやく小川達が辿り着いたものの、既にそこには谷口と豊田の姿はなかった。

山肌には滑落したような痕跡。

下から水の流れる音がする。

「まさか…豊田さん達落ちたんですか…?」

麗華が青ざめた顔をする。

水音がするという事は、下に川があるのだろう。

転落死という最悪の事態だけは免れているだろうが…。

しかしここ数日の長雨だ。

相当水量は増えている筈。

幾ら空挺隊員でも、泳ぎ切れる流れではない。