別の病院天幕では、小川が治療を受けていた。

肋骨三本骨折、裂傷、重度の打撲。

内臓に損傷がなかったのは不幸中の幸いだった。

が、絶対安静に変わりはない。

しばらくは任務には就けないだろう。

これから付近の病院にヘリで搬送され、検査入院という事になる。

「こんな体でRPGを撃つなんてどうかしてますよ、折れた肋骨が臓器を傷つけたらどうするんですか」

「……」

医官の叱責に、小川は返す言葉もない。

流石の分隊長も、医者には勝てないようだった。