鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)

必要なのは決定打のみ。

「でもっ…」

麗華が試作型対戦車狙撃銃の弾倉を外して残弾を確認する。

「もう14.5ミリ弾は残り少ないですっ…」

「こっちもだ、グレネード弾が殆ど残ってねぇ」

小暮も舌打ちする。

三浦の方を見てみるが、彼もまた首を横に振った。

やっとここまで生体兵器を追い詰めたというのに、小川分隊には既に残された弾薬が少ない。

5.56ミリ弾では、あの怪物に有効打を与える事が出来ないのだ。

それを知っているのか、恐れる事なく近づいてくる生体兵器。

「くそっ!何か手はないのか!」

谷口が89式小銃を乱射しながら言う。

彼とて背中からの出血が止まっていない。

早く手当てしなければならない状況だ。

小川も時折喀血し、三浦も折れた肋骨を押さえている。

無傷の豊田や麗華、小暮でさえ、ここに来るまでの行軍で疲弊しきっている。

最早打つ手なしか…。