そんな疑惑が持ち上がったのが、谷口が第一空挺団の選抜試験に合格した直後の事。

それ故に谷口は、第一空挺団で活躍できるだけの能力を持ちながら認められる事なく、この小川分隊に配属替えされてしまった。

平たく言ってしまうと、戦術自衛隊の上層部は谷口をスパイとして疑っていたのだ。

そのような嫌疑のかかっている者を、戦術自衛隊の精鋭部隊である第一空挺団に置いておく訳にはいかない。

その為の配置替えであり、小川分隊は厄介なお荷物を押し付けられた格好であった。