それから三時間が経過。

「小川分隊長!」

小川は二人のディアボに引き摺られて、元の部屋に戻ってきた。

汗なのか浴びせられた水なのか分からないほどに髪の毛はびしょ濡れになり、顔や全身に無数の痣。

口元や額、目尻など、出血している箇所もある。

何より疲弊し、消耗し切っていた。

三時間もの間、オリヴィエラの尋問という名の拷問に耐え続け、情報はおろか悲鳴さえ上げなかったのだ。

その代償は大きい。

「ごめんなさい!ごめんなさい分隊長!私の代わりにそんなっ…!」

後ろ手に縛られたまま、麗華が泣き叫ぶ。

ただ無言で首を横に振る小川。

微かに笑みを浮かべるものの、その表情に力はない。

そんな彼の頭に。

「強情な男だ」

オリヴィエラが拳銃の銃口を突きつけた。