ここは一体何処なのか。

一体自分達をどうしようというのか。

物言わぬまま、ただ小川達を監視するディアボ達。

と。

「!」

鉄扉が開き、一人の男が入室してきた。

白い肌の、30代くらいの男。

右目は見えていないのだろうか、傷痕が残り、閉じたままになっている。

小川はこの男を知っていた。

というか、軍事に携わる者の間ならば、この男の顔はよく知られている。

ホセ・オリヴィエラ。

PMSCsの大手、ARMOUR社の代表取締役。

軍隊や特定の武装勢力・組織・国に対して武装した社員を派遣しての警備・戦闘業務に加え、兵站・整備・訓練など旧来型の傭兵と異なり提供するサービスは多岐に渡る。

そして更にその裏では、ここにいるディアボを世界中の紛争地帯に送り込み、テロや内戦の火種を撒き散らしているのだ。