立ち上がってしばらくすると、二人は何事もなかったように歩き始めた。

これまでと同じように併列縦隊のポイントマンとして、先頭を進む。

「無理しないでね、きつくなったらいつでも交代するから」

豊田が後方警戒の位置から谷口に声をかける。

軽く振り向いて頷く谷口。

勿論、分隊長である小川も隊員達の状態は確認している。

ポイントマンの任務が無理そうなら、すぐに自分が交代するつもりだった。