「大丈夫?」

谷口に豊田が、三浦に麗華が付き添って、ゆっくりと体を起こす。

口径の大きい銃で撃たれた場合は骨折などを伴う場合もあるが、谷口と三浦の場合はそこまでには至らなかったようだ。

痛みは残っているようだが、作戦行動にまでは支障を来たさない。

「すまんが休ませてやる暇はない。すぐにこの場から移動しなければ」

小川が二人に『できるか?』と言いたげに視線を向ける。

無論、第一空挺団と特殊作戦群出身の二人だ。

この程度で泣き言を言う筈もない。