完全に伏兵を制圧したのを確認して。

「麗華、豊田」

「はいっ!」

小川の指示で、二人は谷口と三浦の傷を診る。

ディアボ達が所持していたのはM16アサルトライフル。

という事は5.56ミリ弾だ。

発射された5.56ミリ弾頭は、命中すると弾頭下部の環状溝の辺りで割れ、断片は軟組織の内部を傷つけながら散らばる。

これが弾丸の殺傷能力に繋がる訳だが…。

「大丈夫です、弾は防弾チョッキで止まっています!」

豊田が笑顔を見せた。

幸い谷口も三浦も、防弾チョッキ2型を着用していた。

しかも小銃弾を阻止する事のできる、NIJ規格の『レベルⅢ』のセラミックプレートを防弾チョッキの前面に入れていた為、着弾時の衝撃による内出血だけで済んだのだ。