「考えようによっては汗が流せていいかもね」

豊田が言う。

確かに高温多湿の中、汗でべたついた体には心地いい。

しかし長時間雨に晒されるのは体力の消耗にも繋がる。

あまり歓迎できる雨ではなかった。

加えて視界も悪くなり、雨音で足音などが遮られる為に敵の接近に気付きにくくなる。

総じて有利な条件とは言えないのだ。

併列縦隊のまま進む隊員達。

警戒をより厳重にする。