「ねぇ、第一空挺団ってどんな訓練するの?」

スコップで土に埋まった瓦礫を掘り返す谷口の傍らで、細かい瓦礫を拾いながら豊田が訊ねる。

「…C-130輸送機からの降下、CH-47大型ヘリからの降下やリペリング(懸垂降下)、水上降下訓練…落下傘降下は高度約340メートル、機速度約210キロ(ヘリの場合は約130キロ)で行い、東京タワーの高さ、新幹線とほぼ同じ速度の航空機から降下を行うイメージだ」

淡々とした口調でとんでもない事を言う谷口。

当然第一空挺団は精鋭部隊である為、降下訓練以外にも厳しい訓練を行う。

迷彩服、鉄帽、背嚢、個人携行火器、機関銃、迫撃砲などを携行したまま二日間かけての数十キロに及ぶ徒歩機動訓練。

隊員同士が対抗形式で状況を想定し、『対抗部隊の構成、武器』『敵遊撃隊の前進速度、潜伏要領』『捕虜の取り扱い』『昼間射撃』『遭遇時の至近距離射撃』などを学ぶ。

近接戦闘の訓練では上半身裸で急所にバツ印が書かれた隊員などが登場し、ナイフなどで相手を倒す為の様々な方法が具体的に解説されている動画などを見ながら学習する事もある。