コロンビアはかつて誘拐と殺人の発生率で悪名高い国であった。

1990年代には10万人当たりの殺人事件発生率が世界最悪だったという。

1960年代初頭の殺人事件発生数は3000件ほどだったが 、1990年代初頭にはこれが十倍の3万件に達し、10万人当たりの殺人事件発生数が77.5人となった。

これは世界最悪の数字だった。

殺害される人々の90パーセント以上は男性であり、国境付近のプトゥマヨ県、グアビアーレ県、アラウカ県のような地域では10万人当たりの殺人事件発生数は100人に達する。

1990年代には、発生した殺人事件のうち犯人の97パーセントが処罰を受けなかった。

農村部や地方の左翼ゲリラ、極右民兵、政府軍の戦闘、及び麻薬組織の暗躍などの事情もあり、改善されたとはいえ、決して油断はできない。