一方、ダルフール。

まるで爆発音のような銃声と共に、試作型対戦車狙撃銃から14.7ミリ弾が発射される。

弾丸は的の中心に大きな風穴を開けた。

「だいぶ反動にも慣れてきたみたいだな」

麗華の試射を後ろで見学しながら、谷口が呟く。

「はい」

たった一発撃っただけで白煙を上げるほどの高熱を発する狙撃銃を地面に置きながら、伏せ撃ちの姿勢のまま麗華は振り向いた。

「慣れもありますけど、やっぱりスコープを取り付けたのは違います。命中精度が段違いですから」

小川や谷口の勧めもあって、麗華は試作型対戦車狙撃銃にスコープ(照準器)を取り付けていた。

狙撃銃に装備するものはテレスコピックサイトと呼ばれる長距離精密射撃(狙撃)を目的とする望遠鏡機能を持つ小型の照準器。

スナイパーライフルには必須の装備である。