「…別に関係のない事です」

小川は小暮に背を向ける。

「隊員同士の関係が向上する方が、部隊を率いる者としては都合がいい」

「そう突っ張るなよ、おめぇも男だろ?小川」

小川と肩を組む小暮。

「お嬢さんみてぇな可愛い娘に言い寄られてたのは、悪ィ気はしなかっただろ?そのまま手篭めにしちまえばよかったのによ」

「悪代官ですか、俺は」

呆れたように溜息をつく小川。

…いいのだ。

自分が不器用な男である事は、自分が一番理解している。

要領がよければ、プライベートも任務も並行してこなせるのだろうが。

「俺は任務だけで手一杯ですよ」

小暮を振り解き、小川は歩いていった。