激しい追撃を受けながらも、何とか豊田や麗華の待つ待機場所まで戻ってきた小川達。

「三浦君!」

豊田が声を上げる。

「大丈夫だ、気絶しているだけだ」

三浦を軽装甲機動車の後部座席へと放り込む小川。

「分隊長、撃たれてるじゃないですか!」

麗華が悲鳴のような声で言う。

確かに小川の左の二の腕から出血している。

「弾は抜けている…どうという事はない」

恐らく三浦を担いで撤退している時に撃たれたのだろう。

小川は身を挺してまで、三浦の暴走を止めたのだ。