「状況にもよるが、すぐに攻撃は仕掛けない。まずは様子を探る」

軽装甲機動車のナビシートで小川が言う。

「難民キャンプ内部の様子を、俺、谷口、それからアフリカに詳しい三浦の三人で潜入して情報収集する。難民の生存者がいれば優先的に救出。ジャンジャウィードの民兵は、可能な限り殺害しないように処理(火力等をもって敵兵を無力化するという戦術自衛隊用語)。ディアボは全部隊突入後、殲滅だ」

「了解」

頷く谷口。

だが。

「何故です?民兵も殲滅すればいいんじゃありませんか?」

言ったのは三浦だった。