何より。

「……」

小川は豊田や麗華と共に瓦礫撤去作業に従事する谷口の背中を見る。

もし彼が戦術自衛隊HQの言うように某国の工作員だったとしたら。

それを決定付ける行動を見せたりしたら。

小川はHQに宣言した通り、自身の手でけじめをつけなければならない。

小川の手で谷口を拘束、HQに引き渡す。

抵抗するようならば、89式小銃や9ミリ拳銃での射殺も止む無し。

この装備の所持は、決してカマドウマに対する対抗策という意味だけではないのだ。