「ARMOUR(アーマー)社です」

隊員が言った。

ARMOUR社とは軍事業界でも大手のPMSCs。

莫大な資金を基に従来の傭兵よりも重装備化した警備員を持ち、MiG-27、MiG-23、Su-25といった戦闘機、攻撃機やMi-24攻撃ヘリコプター、BMP-2歩兵戦闘車といった装備を運用する。

最早民間軍事会社というよりは一国の軍隊に近い。

軍事業界では知らぬもののない企業だが、その一方で紛争鎮圧や対テロ活動といったクリーンな活動をする事でも有名だった。

それがまさか、ディアボのような生物兵器を使用して紛争に加担しているとは…。

「その情報、確かなんですか?」

麗華の言葉に。

「間違いない…ディアボを輸送してきたヘリを目撃した。ロゴを消して偽装を図ってはいたが、微かに残っていたあのロゴの痕跡…あれはARMOUR社のものだ」

隊員は頷いた。

「…何にしても、一旦態勢を立て直す必要があるな」

小川が呟く。