その後、小川達三人は怪我を負いつつも捜索から救出までの数日間を、所持していた戦闘糧食で食い繋ぎ、無事生還を果たしたのである。

生き延びる事を諦めなかった不屈の精神力、そして日々の訓練で鍛え上げた肉体と生存自活の為の知識。

どれか一つでも欠ければ、生き残る事はできなかっただろう。

見事に任務を達成した小川分隊。

…しかし彼らは知らない。

あの時、あの地下鉄構内に生体兵器が出現したのが実戦テストの一環であった事を。

自分達の部隊がHQの間で密かに『実験分隊』と呼ばれ、幾ら要請しても脆弱な装備しか与えられず、モルモット同然に試作型生体兵器のデータ取りの為に戦わされていた事を…。