「ディ…ディアボ…?」

目の前に蠢く擬態型の群れに圧倒されつつ、豊田が呟く。

『ディアボ』

擬態型達はそう名乗った。

「ポルトガル語で『悪魔』を意味する言葉だ」

小川が擬態型達から視線を逸らさずに言う。

自らそう名乗るという事は、自分達をカマドウマのような蟲如きと一緒にするなという意思の表れか。

しかし…。

「ポルトガル語たぁ…随分と生意気じゃねぇか」

小暮が不敵に微笑んだ。