もしそれが本当だとすれば、米軍は信頼性の置けない危険な試作型生体兵器の評価試験場として、現在の東京を利用したという事になる。

国際問題に発展しかねない許されざる行為だ。

「でも人型カマドウマの遺体なんて、一体どこで…?」

「半年前の離島上陸作戦さ」

豊田の疑問に谷口が答える。

確かにあの作戦の時、アメリカ海兵隊武装偵察部隊のものと思われるナイフや薬莢が海水浄化施設跡で発見されている。

アメリカ海兵隊武装偵察部隊が戦術自衛隊には内密に離島に潜入したのは、人型カマドウマの遺体を確保する為だったのかもしれない。