一方、同じ駐屯地の会議室。

「遅くなってすまない」

駐屯地司令に任務の報告を済ませた小川が入室してきたのを、谷口、小暮、豊田の三人が注目する。

「で、司令は何と…?」

「HQの方には司令から報告して下さるそうだ…何せカマドウマとは全く別系統の敵だったからな」

豊田の問いかけに答えて、小川は椅子に座る。

…正直、敗走だった。

倒しきれずに撤退したに過ぎない。

あんな危険な怪物を仕留め切れていないにもかかわらず、逃げるしかなかった。

国防を司る戦術自衛隊が、あってはならない事だった。