習志野駐屯地の医務室。

「うん…骨や脳に異常はないね。頭皮の傷は、しばらくカサブタが残るかもしれないけれど、まぁ髪の毛で見えないし。最終的には綺麗に治るから」

医官に言われ、麗華はほっと胸を撫で下ろす。

戦術自衛隊員とはいえ、女性だ。

やはり一生残るような傷を負う事になるのは困る。

ゆくゆくは彼女も結婚する事になるのだから、嫁入り前の体は大事にしたい。

「それにしても…」

医官は椅子の背凭れに体を預ける。

「一体誰にやられたんだい、そんな傷…まるで熊にでも引っ掻かれたみたいな傷だね」